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「お笑い演芸館+」での霜降り明星の漫才を見て”ナミダ”が出た

感想・レポ

プロフィール

コンビ名:霜降り明星

個人名:せいや(写真左):粗品(写真右)

所属事務所:吉本興業

活躍の「寿司」

霜降り明星がM-1グランプリを優勝してもう1年以上が経っているが、未だに勢いが衰える様子は一切ない。

今やテレビでは「霜降りバラエティ」「霜降り明星のあてみなげ」、ラジオでは「霜降り明星のオールナイトニッポン0」「霜降り明星のだましうち」などのレギュラー番組を多く抱え、「しもふりチューブ」も毎日更新、お笑い第七世代筆頭としてお笑い界全体の世代交代も進行させ、遂には別々でドラマにレギュラー出演が決まるなど、まだまだ活躍の場を広げている。

そんな霜降り明星を、たまたまBSで放送されていた「お笑い演芸館+」という番組で見た。
この放送回は『M-1スペシャル』と題し、MCをナイツが務め、中川家サンドウィッチマントレンディエンジェルといった歴代チャンピオンに加え、2019チャンピオンのミルクボーイ、ファイナリストのからし蓮根オズワルドぺこぱ、さらには審査員を務めたオール阪神・巨人まで漫才を披露する
BSにしてはかなり豪華な回だった。

その放送のトップバッターを務めたのが、2018チャンピオンの霜降り明星。

その日は「寿司」

私もよく見ていた漫才だった。

しかし、その漫才を見終わった後、私は”ナミダ”を流していた。

私の知っていた「寿司」が進化を遂げていたのだ。

出会いの「寿司」

霜降り明星と私が出会ったのはM-1グランプリ優勝よりもっと前のytv漫才新人賞の選考会だった。

このytv漫才新人賞の選考会は年間に3ROUNDあり、毎回オーディションで選ばれた関西の10年目以下の漫才師15組(吉本、松竹)がネタを披露し、上位2組×3回の6組だけが本選に出場するというシステムになっている。

現在は選考会の放送にも需要が増えてきて土曜のお昼に時間帯が変わっているが、当時はまだ深夜3時ごろに放送されていた。関西の若手漫才師をテレビで見られる貴重な機会だったので、私は欠かさず見ていた。

その選考会で初めて霜降り明星を見た。

その時やっていたのが「寿司」だった。

漫才「寿司」【霜降り明星】8/100

初めて見た私は衝撃を受けた。

会話の中でテンポを生み出すボケに、ワードセンスとキレのある独特なツッコミ。

『オカンの創作意欲!!』

『食べ方がフリスク!!』

完全に心を掴まれた。「いずれこの2人はお笑い界で天下を取る」と確信するほど。

そして、気づけばあっという間にytv漫才新人賞やabcお笑いグランプリ、遂にはM-1グランプリまで制覇していた。

今でも「豪華客船」で高得点をたたき出した時の衝撃や、ファイナルジャッジで4人連続で審査員が『霜降り明星』を選んだときの鳥肌が立つほどの感動は忘れていない。

進化の「寿司」

そして、私が霜降り明星と出会って3、4年が経ち「お笑い演芸館+」で思い出の漫才「寿司」の進化verを披露していた。

では具体的にどう進化していたのか?


まず1つ目

ボケの差し替え

霜降り明星の漫才はボケとツッコミがワンセットになっているものが多いため、客層に合わせたり、新しいボケも入れやすい。

今回はお年寄りが多い客層だったので「ハラスメント」などの時事的なボケや、サザエさんのアナゴさんのモノマネなど広い世代に伝わるボケを取り入れている。

ここまでは、霜降り明星のネタのブラッシュアップ能力の高さがうかがえる点ではあるが、比較的に霜降り明星の漫才をよく見ている人なら普通だと感じるかもしれない。


2つ目

ツッコミの差し替え

霜降り明星は「質の高いパッケージは別の設定でも使える」という珍しい特徴を持っている。例えば、せいやの食パンのボケに対して粗品が「一斤!!」とツッコむパッケージは「学校」と「アンパンマン」の両方で採用されている。

その中でも登場頻度が多いパッケージがある。


せいや「(必死に手を洗っている)」

粗品「お前人殺したんか!!」


というフレーズ。

このパッケージは汎用性が高く、数々のタイトルを総なめにした「学校」のネタの中にも使われているし、テレビやしもふりチューブの料理企画などでも使用している。水戸黄門の「この紋所が目に入らぬか!!」ぐらい有名な、霜降り明星を代表すると言っても過言ではないお決まりのフレーズだ。

しかし今回は違った


せいや「(必死に手を洗っている)」

粗品「お前、自転車のチェーン直したんか!!」


お決まりのフレーズが変わっていた。確実にウケを取ってきた実績を持つ「お前人殺したんか!!」を変更するのはかなりの勇気が必要だ。そこを分かったうえで「お前、自転車のチェーン直したんか!!」とツッコミのフレーズを変えることで、いつもやっているくだりに絶妙な”あるある”という新たな笑いを取り入れている。


最後の3つ目

畳みかけ

しもふりチューブに上がっている動画でもそうだが、この「寿司」で一番の肝と言ってもいい部分が所々に挟み込まれる「上手いことを言う」くだり。今までは


せいや「お寿司だけに”水に流してくれや”」

粗品「上手ないねん」

せいや「スペイン料理だけに”バルセロな”」

粗品「意味わからん」

粗品「”一貫”の終わり!!」

せいや「(ハケようとする)」

粗品「俺の手柄や!!お前全然上手いこと言えてないぞ」

せいや「どうやったらいいねん」

粗品「適当に言葉掛けたらいいねん」

せいや「お前みたいな芸人の”タマゴ”に、”イクラ””トロトロ””ブリブリ”言われても、なんの屁の”かっぱ巻き”。お前には”おあいそ”つかしました。”あがり””トロ”ございました。」

粗品「ワンアドバイスですぐ伸びる!!もうええわ」


この一連の流れがあった。これはこの「寿司」という漫才の中でも一番のメインのところであり、伏線伏線からの回収でオチに持っていくこの漫才の肝の部分だ。しかし今回は進化していた。


粗品「”一貫”の終わり!!」

せいや「(ハケようとする)」

粗品「俺の手柄や!!お前全然上手いこと言えてないぞ!言うといたるわ。お前みたいな芸人の”タマゴ”に、”いくら””ブリブリ”言われても、なんも入ってこぉへんのよ」

せいや「なるほどね。こんなんは”茶わんムシ”。”プリンプリン”怒ってても、”マッチャ”時間の無駄。大体、”ガリガリ”やから…」

粗品「サイドメニュー多いな!お前サイドメニューできてるやん」

せいや「なにがやねん」

粗品「お前”トロ”いねん。笑いが”トロ”いし。俺がいっつも”サバ”いとんねん。お前の言うことはなんの屁の”かっぱ巻き”やっちゅうねん」

せいや「”カウンター”ありがとね。頭の”カイテン”は僕の方が早いんで。こんな喧嘩に”コシツ”はしません。」

粗品「業務形態!!業務形態で上手いこと言ってどないすんねん!寿司ネタで上手いこと言わんかい」

せいや「もうほっと”コーンマヨ”。”ハンバーグー”で…」

粗品「邪道やな!邪道やな、チョイスが!お前言うといたるわ。お前が寿司好きとか言うてな、話聞いてたけど全くもって薄い。ペラペラや。M-1優勝してからテレビでなんか好きなものの話とかしてるけど、毎回薄いねん!俺の方が寿司好きや。俺の前で二度と寿司のこと話すな!」

せいや「”おあいそ”」

粗品「もうええわ」


かなりの変更が加えられている。それなのにもかかわらず、以前よりも笑いどころが増えているし、さらなる掛け合いで畳みかけている。

たまにラジオでお互いが上手いことを言い合いするだけの時間があるくらい、この「上手いこと言う」のは霜降り明星が得意とするジャンルだ。その良さを前面に押し出し漫才の中の一つのくだりとして昇華させている。

完成しない漫才

正直、私が初めて見た時の「寿司」でもうすでに完成形だと勝手に思っていた。

たしかに、M-1グランプリで勝つためによりいいボケ、よりいいツッコミを考えてブラッシュアップしていくのはお笑い芸人としては当たり前だ。

しかし、彼らはチャンピオンになった今でも、忙しいスケジュールの合間を縫って、どん欲に面白い漫才を追求している。

霜降り明星の漫才は一生完成しない。

いや完成形がずっと続いていくといった方が正しい。

お寿司だけに、これからも私たちに常に新しい”ネタ“を提供してくれるだろう


(追記)

2月29日(土)のしもふりチューブに改良版の「寿司2」がアップされた。

漫才「寿司2」【霜降り明星】26/100

「おさかな天国」やくら寿司の件も追加されていて、最後は仲良く口喧嘩。

また新たにボケを追加し、進化させている。

完成しない漫才“とは、まさにこのことだ。


引用した漫才

霜降り明星「寿司」「寿司2」

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